2020.08.15
「なんでみんなテレワークできないの?」という素朴な疑問に答えてみる
新型コロナの影響で、企業に対するテレワークの要請は高まるばかり。
でも、世間からは「緊急事態宣言が解除されたら、元通りになった」「なんでテレワークを進めないんだ!従業員を大事にしていないのか!」なんていう怒りの声もある。
実家のスマホしかやったことがない74歳の母も「なんでみんなテレワークできないんだろうねえ」と、私に聞くので、「ちょっと、お母さん、そもそもね・・・」と、答えてみた。
私なりの解答は以下。
弊社は中小企業様のテレワークコンサルをさせてもらっていますが、テレワークができないそもそもの理由に
●テレワーク用に貸与できるモバイルPCを社内に有していない
もしくは、
●社員にテレワークをさせたくても、社員の自宅にPCがない、通信環境がない
という大前提のIT環境未整備の問題があります。
(これって日本の公教育の IT化が遅れているのと同じ要因なんだが、それはまた今度)
テレワークするPCや環境を従業員全員ができるようにする、って資金が必要です。
新型コロナで緊急事態宣言の間は、なし崩し的にBYOD(従業員個人が所有している端末を使うこと)で、なんとか業務を進めていた企業様も多く、それでいいじゃないか、という声もあるけれど、その場合、外部から会社のサーバーにアクセスしたり、クラウド上で仕事ができるIT環境がなければ、それもできないわけで。
そのためにはセキュリティ対策のためのソフト導入やセキュリティを遵守させる教育をしっかり行わないといけない。
そしてテレワークの労働環境の準備をせずに、なし崩し的に行うと
・仕事の電話代って、誰の負担?
・テレワークで使った通信費や光熱費って誰の負担?
・タイムカード押せないけど、どうする?
・仕事の進捗はどう管理するの?
・成果はどう評価する?
といった、従業員の不満や不安、マネジメント側の不安が出てきます。
だから、テレワーク用に労働環境・業務管理も一つひとつ設計していく必要があります。
結構、やらないといけないことが山積なのです。
しかも資金もかかるから、今、目の前の現業をまわすため、売上を立てるために「とりあえず出勤させる」という判断も致し方ない。
ただやってみて、自社や在籍部門に合ったやり方を模索していけば言いわけで、とりあえず「やってみる」というのは大事。
それに、今はテレワーク推進のための補助金や助成金が国や自治体にあるのでそれを活用してほしい。
はじめてテレワーク(東京都)
https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/joseikin/telework.html
IT導入補助金(経産省)
https://www.it-hojo.jp/r01/doc/pdf/R1_application_guidelines_second_tokubetsuwaku.pdf
※厚生労働省のテレワーク助成金は令和2年度募集は8月12日時点で締め切ったとのこと。
テレワークで使えるWeb会議やチャットツールは無料で使えるアプリケーションもたくさんあります。
どこにエネルギーとお金をかけるのか。
それに、テレワーク導入するときに一部の人だけが享受する制度になっていないか、不公平感・不満・不安が出ないよう従業員の心理的安全が確保されるような労働環境整備も一緒に考えてほしい。
それ以外に「テレワークに向いていない」という現場接客系のいう職種も工夫次第で、テレワークできる日を増やすことはできたり。
東京都内の企業様なら、最大5回まで無料で支援ができますので、ご相談ください。