2026.04.02

DE&Iの土台「構造的不均衡」に気づくとは

構造的不均衡とは、

本人の能力や努力とは関係なく、社会や組織の仕組みそのものが、特定の人に有利・不利に働いてしまう状態を指します。
特に大多数(マジョリティ)の方に有利に働きやすい。
組織における意思決定のマジョリティは男性が多く、女性が少ないため、男性に有利に働きやすい、と言われています。

構造的不均衡は

  • 悪意がなくても起こる(無意識のバイアス)

  • 当事者でない人ほど気づきにくい

  • 個人の努力では埋められない

という点です。

DE&Iは、誰かを特別扱いするための取り組みではありません。

最初から存在している“見えにくい差”に目を向けることから始まります。

例えば、当社がよく研修で使用する下記のイラストを使って説明します。
気球を見ると言うイベントにクラスメイトの皆で参加をしました。

画像

しかし、左上のイラストでは、背の高い人だけが気球を見ることができ
そのほかの二人は目の前の壁で見ることができません。これは配慮がない、状態です。

次に右上は、であれば、と背の高い人が皆に同じ高さの台を貸してくれました。
これが平等です。でも、背の高い人が決めた平等なので、背の低い人は自分の努力ではどうにもできない状態で、気球を見ることができません。

次に左下に行きます。だったら、と背の高い人は背の低い人に自分の台を貸しました。これで、背の低い人は気球を見ることができるようになりました。これが公正、Equityです。
しかし、こうすると「あの人、優遇されているよね?」と影でヒソヒソ言う人が出てくるのが組織の現実です。

だったら、と目の前が壁があるのは良くない!と壁を取り払い、柵にして、
「違いを感じなくて良い状態」にしました。環境を変える。
これがDE&Iの目指す一つのゴールです。

職場によくある不均衡

「いつも遅くまで頑張っている」
「急な仕事にも対応してくれる」

一見、正当な評価に見えますが、育児・介護・治療などの制約を持つ人は、成果を出していても評価されにくくなります。

これは本人の意欲の問題ではなく、評価軸そのものが、特定の人に有利に設計されている状態です。

また、経営方針や事業目標など、重要な会社からの情報を男性部下には回していたが、女性社員には共有していないという、
無意識のバイアスによる不均衡もよくあります。
こういう機会の不均衡を是正することから、女性活躍推進は始まるのです。

構造に目を向けると、見え方が変わる

構造的不均衡が見えてくると、

これまで「個人の問題」とされてきたことが、違って見えてきます。

  • やる気がないのではなく、参加しづらい

  • 成長意欲が低いのではなく、機会にアクセスできない

DE&Iは、個人を責めるためのものではありません。

仕組みを問い直すための視点です。

DE&Iとは、みんなを同じに扱うことではなく、同じように力を発揮できる前提を整えること

その第一歩が、「構造的不均衡」に気づくことです。「これは本当に個人の問題だろうか?」そんな問いを持つところから、DE&Iは静かに始まっていきます。